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「タイタンサーバー」は今後の布石にすぎない!? 「アトランティカ」三大新システムについて開発リーダーに聞いてみた(アトランティカ)



NDOORS開発1本部アトランティカチーム長 兼 プロダクトマネージャー リ・ゴン氏




 7月28日,MMORPG「アトランティカ」にて大型アップデートが実施され,すべてのサーバーのプレイヤーがアクセスできる「タイタンサーバー」が設置された。これにより異なるサーバーのプレイヤーとコミュニケーションを図ったり,(将来的に)対戦したりすることができるようになり,また毎週日曜日には「統合チャンピオン戦」が開催されるなど,ゲーム内がよりいっそう活性化するのではないかと期待される。



 しかしながら,今回のアップデートはこれだけで完結するものではなく,今後の展開に繋がる,いわば布石となっているとのこと。そこで次回以降のアップデートで実装される予定の三つの大きな要素について,開発の韓国 NDOORS 開発1本部アトランティカチーム長 兼 プロダクトマネージャー リ・ゴン氏に話を聞いてみた。



 今後実装を予定している一連のアップデートは,韓国でアトランティカのプレイを休止しているプレイヤーを集めて行った座談会の内容に基づいて企画されたものだという。座談会で出た意見は,大きく以下の3点に集約された。




  • 一人で遊ぶだけなら満足できるが,ギルド単位や複数のプレイヤーでチームを組んでのプレイはもの足りない

  • 戦闘が楽しいのは確かだが,息抜きができる要素もほしい

  • レベルキャップに達してしまうとやることがなくなるので,大きな目標がほしい




 これを踏まえて,1年以上の月日をかけて開発しているのが「大規模戦闘システム」「マイホームシステム」「Achronian大陸」であり,それぞれ1本のゲームとして成立するくらいのボリュームを持っていると,リ氏は語る。





最大8陣営200人参加! ターン制で進行する「大規模戦闘」の概要とは?





大規模戦闘のイメージ(以下,画面は開発中のものです)




 大規模戦闘は,主にギルド単位での参加を想定した集団戦で,ストラテジーゲームのようにセルで構成される専用マップで行われる。参加可能なプレイヤー数は200人で,最大8陣営に分かれてターン制の戦闘を繰り広げるのだ。



 プレイヤーは,各陣営の指揮官の指示のもと,戦略・戦術に沿って敵の拠点を攻撃する。各プレイヤーは自分と傭兵を操作し,移動のほか,資源の採集や建物の建設,戦略的拠点の保護,罠の設置など,ターンごとにさまざまな行動を選択可能。




高低差のあるマップ。マップの奥の橋は破壊して通れなくすることも可能。高地にいると,遠距離攻撃の射程が延びるなどさまざまなメリットがある











 なお,各プレイヤーは移動→行動選択の順で各ターンを終え,行動選択後の移動はできない。また,マップ上のセルには平地だけでなく沼地や川,森などがあり,それぞれに地形効果が設定されているほか,高低差の概念もあり,基本的に高いところのほうが有利だ。戦術上,橋を破壊して敵の進路を防いだり,資源を破壊して敵の採集を妨害したりといった行為も必要となる。

 例えば右のマップでは,戦略上優位な高度の高いところを選んで移動するか,最短距離を突っ切るか,資源(水色の点)を迅速に確保するか,はたまたそれらの裏をかくかといった戦略次第で移動ルートも変わってくることが分かる。




左は移動指定,右は攻撃の様子








戦闘の様子







罠を仕掛ける







障害物を破壊する






 さらに,マップ上では「風」および「気候」の影響を受ける。風には,風力と風向きの概念があり,「火攻め」を行った場合の炎が燃え広がる確率と方向に影響する。また気候が雨になれば炎が消えてしまうことがあり,河川などの「飛び石」も使えなくなる。豪雨ともなると,すべての炎が消えてしまう。風や気候に関してはプレイヤーが操作することはできないので,プレイヤーに緊張感を与える大きなアクセントになるだろうと,リ氏は予想している。




豪雨で増水すると,地形も変化する








芦などの雑草が生えているところでは,相手に見つからずに移動できる







樹木を伐採する




 採集した資源は,主に建造物の設置に使われる。建造物は,敵の侵攻を食い止める障壁や罠のほか,味方陣営にバフ効果をもたらす「訓練所」や死亡ペナルティを除去する「聖地」などがある。いずれもあるとないとで戦況が変わるため,いかに味方の建造物を守り,敵の建造物を破壊するかも戦略・戦術上の大きなポイントとなる。




設置すると戦力を増強してくれる施設の一つ陣形製錬所。ほかにもさまざまな施設が建築可能











復活地点の設定



PvEでの大規模戦闘モードもある

 大規模戦闘は,以上のような行動/ターンを繰り返すことで進行。参加できるプレイヤーの数が多いだけに,勝敗が決まるまでにどれだけ時間がかかるのか不安になるが,最初に実装される「トロイ戦争」のマップでは最大2時間程度を見込んでいるとのこと。比較的短いのは,プレイヤーに与えられる行動選択の時間が,1ターンあたり30秒と制限されているため(陣営ごとに30秒で一斉に動く)。

 また,2時間かかるのは200人がフルに集まった場合の話で,実際にはもっと少人数で行われるケースもあり,リ氏によれば20~30分で決着がつく場合も多いだろうとのことだった。なお,トロイ戦争は中規模のマップにあたり,今後は有名な戦争をモチーフにした大小のマップが追加されていく。さらに,プレイヤー同士で戦うだけでなく,AIが操作する「巨大モンスター陣営」と対戦することも可能だ。





傭兵が使用人に転職!? コーディネート要素と経営/育成要素を持つ「マイホームシステム」









 マイホームシステムは,いわゆるハウジングシステムで,プレイヤー個人のコレクション的な欲求を満たす目的で導入される。またコレクションをお互いに見せ合うことで,プレイヤー間のコミュニケーションも促進できるのではないかと,リ氏は展望を述べた。



 ハウスは,各プレイヤーに与えられるインスタンスエリアで,移動すると自動的に「マイホームモード」に変更される。ハウスには「清潔度」や「耐久度」といった数値が設定されており,快適さを保つためには定期的に手入れをする必要がある。



 「開発側の意向としては,毎日ログインしていただきたいですから,手入れも毎日必要にしたいところです。しかしそれでは,なんらかの事情で長期間ログインできない場合に大変ですから,運営の意見を聞いて適切なバランスを取ることになるでしょう」(リ氏)











傭兵を選んで使用人に転職




 また,ハウスは大きく室内と室外に分けられ,さらにさまざまな機能を持つ部屋に分けられる。各部屋を機能させるには,プレイヤー各自が雇用した傭兵を,さまざまな職業の「使用人」に転職させる必要もある。例えば「リビング」で晩餐を行うなら「料理人」が必要だし,「工房」でアイテムを生産するなら「職人」が必要という次第である。なお,一度使用人に転職してしまうと,もう傭兵に戻すことはできないとのこと。












給金の支払いが滞っているので苦情をいってきているらしい場面。キャラによって適切な返答をしないと忠誠度が下がる




 使用人には指示を出すことが可能で,職業に合った作業をさせると職業レベルが上がっていく。とはいえ,仕事ばかりさせているとストレスが溜まり,サボりがちになるばかりか,ハウスを飛び出してしまうこともある。そこで適宜休暇を与えたり,激励したり,あるいはボーナスを与えたりしてストレスが溜まらないよう調整が必要だ。使用人には性格が設定されており,それぞれに合った対応ができれば大幅なストレス解消が見込める。このあたりは,経営/育成シミュレーションのような要素といっていいだろう。




家具の配置




 さらにハウスは,さまざまな家具やインテリアを設置してコーディネートすることが可能。家具やインテリアには「眼識数値」が設定されており,合計が一定以上に達すると,よりレベルの高いものを設置できるようになる。



 なかには音楽を演奏したり,入手した武器や防具を飾って倉庫代わりにもできたりといった,特殊機能を持たせられる家具もあるとのこと。





























 なお,例示されたスクリーンショットはいずれもインテリアが充実しているが,ここまでするのに,どれくらいの時間と費用が必要かリ氏に聞いてみたところ,こんな答えが返ってきた。



 「基本的に,現実世界と同じになるよう設定しています。もし私がこれだけの家を持つとしたら,毎日10時間働いても30年はかかるでしょう。それをアトランティカのゲーム内に換算した分の時間と費用が必要です」(リ氏)



 なにもそこまでリアルにしなくとも……とは思うが,ともかく並大抵の努力では立派なハウスは望めないようだ。



 また,ハウスを介してほかのプレイヤーと交流を図ることもできる。上記の晩餐に,ほかのプレイヤーを招待すれば,料理に応じたバフ効果を一定時間与えられる。また「友好度」は,戦闘など活動をともに行うことで上がっていき,親密になれば「義兄弟」「恋人」として登録可能。「郵便筒」を使えば,ハウスの持ち主にアイテムをプレゼントすることも可能だ。










 さらに,ほかのプレイヤーのハウスを推薦するランキングもあり,上位5位に入れば,城のような外見を持つハウスの使用権を得られる。これらの城は,一般のハウスとは異なり,マップ上でほかのプレイヤーからも外観が見えるようになっているので,かなりのゲーム内ステータスとなるだろう。





古代の遺産「Achronian大陸」で繰り広げられるサーバー間大規模戦闘





Magic Tower




 最後のAchronian大陸は,アトランティスの古代人が移住先として作り出した魔法大陸だ。しかし,結局,古代人はAchronian大陸への移住に失敗し,現在では「Magic Tower」と呼ばれる建造物だけが残っている。やがて開拓者たるプレイヤー達は,このMagic Powerを使えば資源が入手できることを発見。Achronian大陸では,日々,Magic Towerの争奪が行われることになる。










 ゲーム内のAchronian大陸は,冒頭のタイタンサーバーに設置される。Achronian大陸上は100を超える「グラウンド」に分割され,それぞれにMagic Towerが存在。各グラウンドの支配権は大規模戦闘を通じてやり取りされ,支配して開拓すればMagic Towerから収益を得られることになる。またMagic Towerにはレベルがあり,ゴールドや資源を費やすことでレベルアップ。レベルに応じて,資源獲得やその効率を上げるための建造物などを建設できるようになり,さらなる収益を期待できる。



 Achronian大陸導入の目的は,もちろんサーバー間競争の活性化にあるため,どのグラウンドをどのサーバーが支配しているか,ワールドマップ上で境界線が表示される。また月に1回,代表者たる「皇帝」をサーバー内投票で選出する。皇帝は,サーバー全体がMagic Towerで得た収益から一定の割合で給与を得られるほか,専用の装飾品とエフェクト,乗り物などが支給される。










 以上,リ氏の説明に沿って三つの新システムを紹介してきた。気になる実装時期だが,大規模戦闘とマイホームシステムは,2009年内から2010年初頭を予定。Achronian大陸は,大規模戦闘を内包しているため,少し遅れて実装されるとのことだった。いずれのシステムも目的に見合うだけの充実した内容となっており,それだけに各要素のバランス調整が困難になると思われるが,そこはリ氏をはじめとする開発スタッフの頑張りに期待したい。




ネクソン運用部 ゲーム運用4チームリーダー 森山浩文氏




 それでは最後に,リ氏と,本作の運営を担当するネクソンの運用部 ゲーム運用4チームリーダー 森山浩文氏にメッセージをいただいたので,掲載しておこう。



 「NDOORSにとって,日本は非常に大事な存在です。私個人は小さい頃から日本のゲームが大好きで,今,その日本で私達のゲームを展開できることを大変光栄に感じています。今後のアップデートに期待してほしいのはもちろんですが,実装されたばかりのタイタンサーバーも楽しんでください。また日本独自の傭兵も開発中で,秋には発表できそうですので,こちらも期待してください」(リ氏)



 「運営としては,引き続きイベントとアップデートを行っていきます。傭兵など,日本をモチーフにしたコンテンツも続々登場しますので,期待してください」(森山氏)

by hatlantica | 2011-12-04 17:08 | atlantica RMT